ゲル太郎ブログ

スキンケアなど感じたことをつらつらと。

界面活性剤の毒性は化粧品に配合される種類で異なるという話

今では界面活性剤=悪いという図式がマーケティングによって作りあげられていますが、実はそうでないものも多数存在します。

界面活性剤に悪いイメージも持たせる背景には、界面活性剤を叩くことで儲かるオーガニック系のコスメ販売者の存在がいるからです。

 

ただ、実際にはオーガニック系コスメの方が植物本来が持つ毒性を発揮してしまい肌に優しくないケースも多々あります(グレードや原料の加工レベルが低いなど)。

何かを悪者にして自社の商品を良く見せる手法はよくあるマーケティングの1つなので、鵜呑みにしないように注意しましょう。

界面活性剤は種類にはよっては刺激性の心配がほぼないものも存在します。

 

界面活性剤は身近な存在

界面活性剤は簡単にお伝えすると本来混ざるはずのない水と油を混ぜることができるようにする成分です。

界面活性剤は多くの食品にも使われていて、例えば牛乳には天然由来の界面活性剤が含まれていますし、母乳にもカゼインという界面活性剤が含まれています。

そのため、界面活性剤を一律で悪者にするのは無理があることがわかると思います。

 

界面活性剤の主な役割

洗浄

石鹸やクレンジングなどには汚れを吸着して離れやすくする作用のある界面活性剤が使われます。

例えばキッチン用洗剤に使われるものには油を落とす力が強いものが使われています。

 

乳化

乳化は水と油を均等に混ぜ合わせることができるようになることです。水にも油にも馴染むことができる界面活性剤を加えることで水溶性の成分を油溶性の成分を混ぜることができようになります。

化粧品には乳化の作用を持つ界面活性剤が使われていて、化粧水でも界面活性剤は基本的に含まれています。

中には水溶性成分だけで、作ることで界面活性剤を使わないタイプのものも存在しますが稀です。

 

分散

乳化と違って分散は液体と固体など状態が違うものを混ぜで均等にすることができる役割です(乳化は液体同士など状態が同じものを混ぜる)。

例えば粉末ココアが水と混ざり合うのは分散の役割が含まれる界面活性剤が含まれているからです。

 

湿潤

湿潤は皮膚などを水に濡れやすくする作用です。化粧品でも通常皮脂が水性の化粧品を弾いてしまいますが、洗顔料に含まれる界面活性剤がこの働きを持っているため、化粧水の浸透を良くしてくれています。

 

界面活性剤の種類はイオンで分けると4つ

  1. 陽イオン界面活性剤
  2. 陰イオン界面活性剤
  3. 両性イオン界面活性剤
  4. 非イオン界面活性剤

このようにイオンの種類によって界面活性剤は4つに分けられます。

ここでは刺激の強弱で説明していきます。

 

刺激が強めなのは陽イオンと陰イオン

陽イオンは種類は多くなく、刺激が強いものは第4級アンモニウム塩のものが主です。

もう1つの構造として刺激が比較的低めのアミン塩があります。

水に溶けるとプラスイオンが発生して皮膚や髪の毛のマイナスとくっつくことで殺菌性を発揮したりします。

陽イオンは殺菌が得意な界面活性剤であるため、これが刺激の原因になりやすくなります。

陰イオンは洗浄力がある石けんが有名ですが、刺激を弱めたアミノ酸系の界面活性剤もあり、中には刺激が低いものもあります。役割としては洗浄が得意です。

 

陽イオン界面活性剤の簡単な見分け方としては「〜クロリド」「〜ブロミド」で終わるもの。陰イオンのものは「〜タウリンNa」「〜タウリンMg」などがあります。

 

両性イオンと非イオンは刺激になる可能性は低い

両性界面活性剤は水に溶けるとアルカリ性では陰イオン、酸性では陽イオンの性質がでますが、使われているものはカルボン酸塩型、アミノ酸、ベタインなどに分類され、刺激性が低いのが特徴です。

陰イオンや陽イオンと聞くと刺激がありそうに感じる方もいるかもしれませんが、両方とも性質は優しくなり、乳化安定を助ける目的で配合されることもあります。

非イオン界面活性剤は水に溶けてもイオン化しないでの他の界面活性剤とも併用しやすい特徴があります。

役割としては乳化や増粘など種類も多く様々な役割があります。

 

両性界面活性剤は「〜ベタイン」「〜オキシド」、非イオンは「〜ポリグリセリル-数字」「〜ソルビタン」「ポリソルベート」「ラウレス-数字」などがあります。

 

界面活性剤は原料の由来でも分けられる

界面活性剤はイオンで分けられる以外にも自然(植物)由来や動物性由来、合成、石油由来などどのように作られているかによって分けられることもあります。

例えば化粧品で良く使われているのは自然由来の両性界面活性剤のレシチンです。

レシチンは不安定な物質であるため、水素を添加して水添レシチンとして使われることが多いですが、安定性があり肌の構造と似ているため、保湿効果もあるので優れた界面活性剤の1つと言えるでしょう。

 

一方で、避けた方が無難であるのが石油由来の界面活性剤です。理由としては肌に残留しやすく負担になる可能が示唆されていることが上げられます。

このように界面活性剤は種類によって刺激や毒性がことなり、一括りに危険とも安全とも言えないため、いかに界面活性剤を悪者にすることが無意味かわかると思います。

 

まとめ

界面活性剤は種類があり、一律で悪いものではありません。

ただ、刺激になる可能性があるものもありますので、スキンケアとして使う化粧品は界面活性剤の量が多すぎず、非イオンや両性界面活性剤で乳化しているものを使うのがおすすめです。